コロナウイルスの流行は、企業がビジネストラベルのありかたについて改めて考えるきっかけとなっています。そんな中、「サステナビリティ(持続可能性)」がビジネストラベルを考える上でこれまで以上に重要になってきています。
サステナブルな出張規定を策定していただく前に、旅行中のCO2排出量を簡単で効果的に削減できる方法があるんです。
この記事では、サステナビリティに配慮したビジネストラベルのためのヒントを、タビマエ(旅行前)・タビナカ(旅行中)・タビアト(旅行後)にわけて紹介しています。
PRE-TRIP タビマエ
1. フライトは直行便・リーズナブルなクラスで
短い距離の移動では、乗り継ぎ便よりも直行便を利用するほうがCO2排出量が大幅に削減されます。さらに世界銀行の調査によると、ビジネスクラスを利用した乗客一人当たりのCO2排出量はエコノミークラスの利用客の3倍にもなるといわれています。
2. 近距離ならば鉄道で移動
鉄道は、航空機での移動よりもCO2排出量を大幅に減らすことができます。人気の東京から大阪に向かうルートでは、新幹線の一座席あたりのCO2排出量は、なんと航空機のおよそ8分の1です。
3. 旅行会社のスマートな選択
環境に配慮したホテルやCO2排出量の少ない交通手段など、よりサステナブルなビジネストラベルを実現してくれる旅行会社を選びましょう。
さらに地元のツアーオペレーターを利用すれば、地域社会への環境被害を最小化しながら、最大の貢献ができるという利点もあります。
4. カーボンオフセット制度を使う
旅行中のCO2排出をゼロにすることはなかなかできません。削減しきれなかったCO2は、国連などの国際機関によって認証されたカーボンオフセットを購入することで、実質ゼロを実現できます。オフセット先には、森林再生、再生可能エネルギー、発展途上の地域エネルギー効率の向上など、将来のCO2削減に役立つ多くのプロジェクトが存在します。
5. 旅立つ前に知っておこう
出張前は営業ピッチやプレゼンテーションの準備で忙しいかもしれません。ですが、旅先の人々や場所のことを知っておくことも大切です。地域の文化や環境をしっかり理解することで、きっとあなたも、より責任感と敬意をしっかり兼ね備えた旅行者になることができるでしょう。
ON THE ROAD タビナカ
6. 公共交通機関と配車アプリを賢く使う
レンタカーの代わりに公共交通機関を利用すれば、CO2排出量は大幅に削減されます。配車アプリ(例Uber、Lyft、 Grab)を使えばCO2を削減しながら、面倒なレンタカー会社とのやりとりや駐車場の心配をすることなく、快適で便利に自家用車を楽しむことができます*。
* 日本では白タクとなる自家用車の営利目的の顧客輸送は違法となります。現時点で利用可能なのはハイヤーやタクシーのみとなっています。(2021年8月現在)
7. 電気自動車で移動する
車をレンタルするなら、電気自動車はいかがでしょう?街中には充電ステーションも増えてきており、ステーションを見つけるためのアプリを使って便利に充電も可能です。
8. プラスチックゴミを減らす
プラスチックボトルの飲料水とはおさらばし、マイボトルデビューしてみませんか。ホテルやレストランでお水を入れたり、アプリで水を入れられる場所を探しながら街歩きするのも良いですね。折りたたんで繰り返し利用できるコーヒーカップなら場所を取らず、プラスチックフリーにコーヒーブレイクが楽しめます。
9. 宿泊施設での小さな行動に気をつける
小さな行動の積み重ねが、大きな効果をもたらします。ホテルを出るときは照明とエアコンのスイッチをオフに。タオルは再利用し、ホテルにある使い捨てのアメニティを使用する代わりに、ご自身で使い慣れたアメニティをご自身で持参してみてはいかがでしょうか。
10. 地元の旬の食材を食べてお店をを応援する
食料生産による温室効果ガスの排出量は、世界の総排出量の26%を占めています。先進国による食料の輸送、包装、加工に限っても、その値は6%に達します。つまり、地元の旬な食材を食すことで、この輸送、包装、加工による悪影響を抑えることができるのです。大量の食品ロスを生み出す可能性が高い食べ放題やビュッフェスタイルも、できれば避けたいところです。
地元で経営している飲食店で食事をすれば、地域経済の活性にも貢献できます。そこでしか楽しめない食や人との交流を、ぜひ楽しんでみてください。
AFTER TRIP タビアト
11. クチコミで魅力を伝える
あなたが訪れ、目にし、触れ合った地域の活性化や生態系の保全のためには、あなたから世界に発信することが非常に効果的です。旅行が終わったら、ぜひ周りの人々やSNSを通して、その地域の魅力をあなたの言葉で伝えてください。
最後に、企業全体のサステナビリティ戦略の一環としてサステナブルトラベルを推進するためには、効果的で透明性のある出張規定を策定することが重要となります。目標を設定し、環境への意識向上のインセンティブを与えて社員に自分ごととして捉えてもらうよう働きかけることで、より早く実質ゼロカーボンを達成し、環境へ貢献していくことができるのです。
近日、出張規定策定に関する記事を公開します。お楽しみに!
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