6つのコンセプト:サステナブルトラベルのためのTricolageの指針

Samantha Lees
23 / 12 / 2021
4 min Read
Traditional Japanese udon restaurant storefront with wooden architecture, noren curtains displaying "ふじてん" signage, and bicycles parked outside. A quintessential local neighborhood eatery showcasing authentic Japanese street culture and sustainable community-based dining.

新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックが生じる前、海外旅行市場の成長は止まらないものと思われていました。

世界では、2019年には国際観光客が15億人に達し、20年前の2倍以上となりました。日本国内だけでも、訪日外国人の数は1999年の440万人から、2019年には3190万人と、実に7倍以上増加したのです。

この成長の裏にはしかし、環境公害や生態系の生息地消失、気候変動を加速させる温室効果ガス排出量の増加、社会的不平等、文化遺産の喪失など、重い社会的・環境的代償を払ってきたことを忘れてはいけません。

一方で、観光は間違いなく持続可能性(サステナビリティ)と両立することができ、さらには世界に良い影響をももたらすことが可能です。世界が新型コロナウイルスの大流行から復興する中、今後サステナビリティに向かって、より意識的に取り組むための道が、旅行業界の前に大きく開かれています。政府、企業、そして私たち一人一人は皆、観光を復活させ、さらに社会や地球に良い影響をもたらすために、それぞれ役割を担っているのです。

Golden ginkgo leaves on a branch illuminated by warm sunlight against a soft blue sky with bokeh effect.

Tricolageでは、それぞれの旅行先で注目すべき、6つのサステナビリティテーマを設定しています。私たちがお客様のご要望に応じてご提供するラグジュアリーなトラベルやビジネストラベルには、必ず一つ、メインとなるサステナビリティテーマを設けてデザインしています。もちろん他のテーマも要素として取り入れつつ、全体を構成していきます。

この6つのテーマには、経済成長や、心身の健康、環境の保全など、あらゆる側面が含まれています。今日我々の世代が受ける直接的な影響だけでなく、将来の世代が受ける可能性のある長期的なものも考慮したこれらのテーマによって、持続可能な発展に向けた観光の役割を明らかにしています。

6つのサステナビリティテーマ

  1. 低炭素・省エネ旅行
  2. 環境保全
  3. 地域の社会的・経済的貢献
  4. 知られざる土地・人里離れた地域
  5. 地域コミュニティによるツーリズム
  6. 文化遺産の保護
Mountain railway cog train ascending steep tracks through rocky terrain with misty layered mountain ranges in the background, illustrating sustainable transportation for eco-conscious travel.

1. 低炭素・省エネ旅行

観光業は、世界の温室効果ガスの総排出量の、実に約8%を占めています。その中でも、排出量の最も多いのが交通機関で、次いで食料・農業、商品・サービス、そして宿泊施設となっています。もし可能であるのなら、旅の中の選択肢として排出量の少ない交通手段を選び、二酸化炭素排出量をきちんと管理しているホテルに泊まり、地元の食材を大切にして食品ロス削減に取り組むレストランで食事をすることをお勧めします。このようなチョイスを意識的にすることで、あなたの旅行がより本物の体験として胸に刻まれるでしょう。

2. 環境保全

自然遺産、国立公園、海洋保護区などの保護地域は、地球の自然資源、遺産、生物多様性を守るために重要な役割を担っています。入場料や税金などの観光客が支払うお金は、生態系の監視、火災時の消火活動、密猟者の取り締まりなど、環境維持や保護活動のための資金として使われているのです。自然遺産を訪れることで、観光客は自然保護活動の一端を担うことができるとともに、地域雇用機会の創出と維持、生活水準の向上に貢献し、そして将来にわたってこれらの生態系を保護し続ける次世代の人々へと繋げることができるのです。

3. 地域の社会的・経済的貢献

使われたお金がその地域の人々の手にしっかり届くようにすることができれば、観光は地域経済を支える大きな力となり、地域住民にとってより良い生活、旅行者にとってより良い旅行先となることにつながるのです。

海外でも見かける大手チェーン店ではなく地元のお店に行ってみるー。そうすることで、地域に残ったお金がその地のインフラや教育、中小企業支援などに還元され、より広い経済的利益を生み出す相乗効果を期待できるのです。

私たちにできること ー それは、地域の人々が運営する宿泊施設や地元産の食材を使ったレストランの利用、あるいは土着の職人や熟練の技を持つ技術士などから歴史や技術を学ぶことを通して、地域の経済を応援することではないでしょうか。

Traditional Japanese udon restaurant storefront with wooden architecture, noren curtains displaying "ふじてん" signage, and bicycles parked outside. A quintessential local neighborhood eatery showcasing authentic Japanese street culture and sustainable community-based dining.

4. 知られざる土地・人里離れた地域

パンデミック以前は、観光地が観光客で溢れかえるという現象が珍しくありませんでした。「オーバーツーリズム」と呼ばれるこの現象は、地域や住民に大きな負荷をもたらしています。知られざる土地、人里離れた地域をチョイスしてはどうでしょう。過剰な観光地への負担を軽減し、他の地域社会にも観光の恩恵を広げることができます。また、人気のある観光地はオフシーズンに訪れるという方法もあります。人混みを避けながら、よりユニークで本物の体験ができるかもしれません。

5. 地域コミュニティによるツーリズム

地域コミュニティは、観光が盛り上がるための源です。

旅行者にとっての「旅行先」は、住民にとっての「ご近所」です。そのことを念頭に考えると、彼らの生活と幸せを無視した観光開発がいかにナンセンスであるかが分かります。地域コミュニティが観光に関わることで、文化や自然の保護、農村部の経済発展が考慮された観光開発が、より広い地域へと発展していきます。旅行者が地域社会と密接につながり、地元の生活様式を尊重し心から学ぶ。このような没入体験を通じて、視野を広げることができるでしょう。

6. 文化遺産の保護

加速する農村の過疎化、都市化、近代化により、かけがえのない伝統文化が失われつつあります。歴史的遺跡は近代的な建物に取って代わられ、後継者不足や安価な輸入品の台頭により、多くの伝統芸能や伝統工芸は消滅しつつあるのです。環境保全と同様に、観光のもたらす経済効果によって、文化遺産を保護し、それらの持続可能な形での発展に取り組む人や組織をサポートすることができるのです。

Mature craftsman with gray beard carefully works on metal piece in traditional workshop, surrounded by tools and bathed in natural light.

先日の投稿では、まず「環境保全」をテーマにしました。『不思議な森やんばるを観光でどう守るか』では、地元ガイドと行政が連携してオーバーツーリズムを防ぎつつ、持続可能な形で観光を発展させる取り組みについて紹介しています。

また、その他のサステナビリティテーマについても、日本各地をご紹介しながら観光がいかに大きな力になるかを掘り下げていきます。

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