地域とのつながり Archives - TRICOLAGE https://tricolage.com/ja/magazine/category/community-engagement/ Japan Sustainable Travel Sat, 30 May 2026 12:18:54 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=7.0 https://tricolage.com/wpdata/wp-content/uploads/2025/08/favicon-150x150.png 地域とのつながり Archives - TRICOLAGE https://tricolage.com/ja/magazine/category/community-engagement/ 32 32 日本のもったいない精神から生まれる「循環型社会」 https://tricolage.com/ja/magazine/a-circular-society-born-from-japans-spirit-of-mottainai/ Sat, 30 May 2026 05:05:17 +0000 https://tricolage.com/?p=18136 The post 日本のもったいない精神から生まれる「循環型社会」 appeared first on TRICOLAGE.

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岩村の精神に触れる、学び暮らすような旅 https://tricolage.com/ja/magazine/an-immersive-journey-into-the-spirit-of-iwamura/ Fri, 06 Mar 2026 06:08:58 +0000 https://tricolage.com/?p=17825 日本三大山城のひとつ「岩村城」の麓に広がる、約800年の歴史を刻む岐阜県恵那市岩村町。名古屋から電車で約1時間半、妻籠や馬籠からのアクセスも良く、静かな山あいにありながら訪れやすい場所に位置しています。

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日本三大山城のひとつ「岩村城」の麓に広がる、約800年の歴史を刻む岐阜県恵那市岩村町。名古屋から電車で約1時間半、妻籠や馬籠からのアクセスも良く、静かな山あいにありながら訪れやすい場所に位置しています。

重要伝統的建造物群保存地区に選定された城下町の町並み、そして「農村景観日本一」と称される富田地区、どちらも往時の面影を色濃く残しています。

岩村に流れるのは、「温故知新」の精神。古きを大切にしながら、そこから新たな価値を見出すという思想は、単なる理念ではなく、住民一人ひとりの暮らしや行動の中に自然と根づいています。

その精神性を支えてきたのが、佐藤一斎、下田歌子、三好学という三人の偉人たちの思想です。彼らの教えは地域の誇りとなり、訪れる人への自然体のもてなしへとつながり、城下町や農村景観を自ら守ろうとする自発的な取り組みを生み出してきました。

岩村は、単に歴史を保存する町ではありません。思想が今も鮮やかに生き続ける、稀有な城下町です。偉人たちの思想と岩村ならではの文化が育んだこの土地の風土を感じながら、まるで住民の一人になったかのように学び、暮らす旅をご紹介します。

佐藤一斎に導かれる、人としての在り方とリーダーシップ

岩村ガイドの神谷さん

ローカルガイドが案内する城下町ツアーでは、偉人たちの思想が現代の暮らしの中に息づく岩村の姿に出会うことができます。
岩村城下町を歩いてまず目に留まるのが、家々の軒先に掲げられた木版の言葉です。落ち着いた町並みに静かに溶け込むこれらの言葉は、岩村出身の儒学者・佐藤一斎の教えに由来しています。
佐藤一斎は、江戸時代後期から幕末にかけて活躍した思想家で、生涯にわたり学び続ける姿勢と、人としての在り方を説きました。西郷隆盛をはじめ、新しい時代を築いた多くの指導者に影響を与え、その教えは現在でもリーダーシップや経営の指針として引用されることがあります。
城下町の家々に掲げられた佐藤一斎の言葉は、 単なる名言ではなく、訪れる人を迎える心構えや、誠実で落ち着いた町の気質を形づくるものとして、日常の中に自然と息づいています。

「石重し、故に動かず。根深し、故に抜けず。人は当に自重を知るべし。」

ここで、城下町を象徴する言葉のひとつをご紹介します。
石は重いからこそ容易に動かず、大木は根が深いからこそ簡単には倒れない——人もまた、自らの立場や責任を自覚し、揺るがぬ姿勢を保つことが大切だという意味です。
これは、力や権威で人を導くリーダー像ではなく、自らを律し、周囲から信頼される在り方を説く言葉です。実際に、日本の経営者の中には、佐藤一斎の著した『重職心得箇条』を、組織のトップに立つ者の心得として読み返している方もいるといいます。
2025年10月にオープンした「佐藤一斎学びのひろば」では、AIを活用しながら佐藤先生との対話を楽しみ、その教えに触れることができます。AI技術を通して、旅人一人ひとりにとって今必要な一期一会の言葉を授けてくれます。
城下町の静かな通りに刻まれたこれらの言葉は、町の歴史や文化を伝えると同時に、訪れる人の心に静かな問いを投げかけます。岩村を歩く時間は、風景を楽しむだけでなく、自らを見つめ、学びや気づきを得るひとときとなるでしょう。

時代を拓いた岩村の女性たち

岩村ガイドのアンヌさん

城下町を歩いて行くともう1つ目に入るのが「青い暖簾」です。
本来、のれんは店先に掛け、営業中であることを知らせるものですが、岩村では一般の家庭の軒先にも掲げられ、そこには一人の名前が記されています。
その名は、その家や店を切り盛りする女性主人——「おかみさん」の名前です。
この風習は、地域の町おこしの一環として生まれました。きっかけとなったのは、16世紀末に岩村を治め、人々に深く慕われた女性城主「おつやの方」の存在です。
おつやの方は、戦国武将・織田信長の叔母にあたり、岩村城主に嫁いだ後、夫の死去に伴い、幼い跡継ぎに代わって城主として岩村を治めました。民を守る善政を行ったことで人々の信頼と敬愛を集め、今もなお町の記憶の中に生き続けています。
その「女城主」の精神を受け継ぐかたちで、約20年前、岩村の町づくりを支える新たな取り組みとして「せんしょ隊」が誕生しました。「せんしょ」とは地元の方言で、「親切なお世話」や「思いやりのある気遣い」を意味します。「せんしょ隊」の暖簾が掛かる場所では、地域の女性たちが自主的に来訪者を迎え入れ、町の魅力や暮らしを伝える活動を行っています。
この取り組みは、岩村の女性たちに新たな役割をもたらし、家の奥にあった存在を町の表舞台へと導きました。

「せんしょ隊」藤時屋の藤井雅子さん

その姿勢は、岩村の歴史におけるもう一人の重要な女性、下田歌子の思想とも静かに重なります。
19世紀半ば、女性が藩校で学ぶことは許されていませんでした。しかし岩村に生まれた歌子は、学者の家に育ち、儒学や歴史、文学を学びます。やがて女性教育の先駆者となり、実践女子大学の前身校を創設するなど、女性の社会的地位向上に尽力します。現在の五千円札の肖像である津田梅子と同様に日本の女子教育の道を切り拓きました。

歌子は次のような言葉を残しています。

「女性の清らかな感性と豊かな情をもって、社会の病を正せ」
「揺りかごを揺らす手は、世界をも動かす」

女性の学びと力が社会を変える——その信念は、時代を越えて今も力強いメッセージを放っています。岩村が誇るこの偉人は、女性が学び、自らの力で社会に立つ未来を切り拓いた先駆者でした。女性の活躍やジェンダー平等という普遍的な価値も、こうした先人たちの歩みの積み重ねによって、少しずつ前進してきたのです。

女城主の誇りを醸す、岩村醸造

七代目蔵元・渡會さん

「女城主」の存在と岩村の誇りを今も感じられる場所が、城下町に佇む岩村醸造です。
1787年創業、約240年にわたり渡會家が代々受け継いできた老舗酒蔵で、建物には明治期に解体された岩村城の一部が使われています。間口が狭く奥行きのある造りは、当時の面影を今に伝えています。
銘柄「女城主」のラベルには、この地を治めた女性城主の姿が描かれ、その名も彼女にちなんで名付けられました。
今回は七代目蔵元・渡會氏による特別な酒蔵ツアーとテイスティングを体験。原料米は地元産を使用し、仕込み水は約400年前に掘られた井戸から汲み上げる天然水を用います。米を育てる土地と同じ水質であることを大切にする、徹底した地元志向の酒造りです。
冬は酒造りの最盛期。発酵中のもろみを自らすくって味わうという、酒蔵ならではの貴重な体験もできました。搾る前の濃厚でやわらかな味わいは、他ではなかなか出会えません。
こたつと庭を望む和室で、「女城主」を含む4種をテイスティング。クラシック音楽を聴かせて熟成させる試みなど、伝統を守りながらも挑戦を続けています。
町名を冠する岩村醸造は、この土地で酒を造る意味と向き合い続ける、真の“地酒”を追求する蔵元です。そこには、岩村を誇りに思う精神が息づいていました。

美しい景観が広がる富田での農村暮らし体験

「農村景観日本一」とも称される富田地区で、日本の原風景とその暮らしを体験してみましょう。展望台から一望できる景色は、単なる「美しい田舎の風景」ではありません。岩村では、この風景そのものを守るべき文化資産と捉えています。
その思想の原点にいるのが、岩村出身の植物学者・三好学です。三好学は日本近代植物学の基礎を築いた人物であり、日本で初めて「景観」という言葉を文化的価値として用いた先駆者でもあります。彼は自然を「開発する対象」ではなく、人々の暮らしとともに育まれてきた遺産として捉えました。そしてこの考え方は、今も岩村の中で具体的な行動として受け継がれています。

たとえば展望台周辺や農村部では、「農村景観日本一を守る会」という住民主体の団体が、年に二度の草刈りを行っています。また富田地区では、田の畔や水路の管理を住民自らが担い、「農村景観日本一」と称される風景を守り続けています。
岩村において景観は、誰かが「保存」するものではありません。住民一人ひとりが日々の暮らしの中で手を動かすことで守られている、生きた文化なのです。
さらに、茅葺き屋根の古民家宿「茅の宿とみだ」の再生も、この景観を次世代へとつなぐ実践の一つです。築約140年の茅葺き古民家を改修した宿では、昔ながらの暮らしの趣を感じながら、快適に滞在することができます。今回はここで特別なひとときを過ごしました。

茅の宿とみだ

岩村の精神を奏でる雅楽

まず初めに茅の宿とみだにて日本の伝統文化である雅楽を鑑賞しました。雅楽は、日本古来の歌舞と、飛鳥時代から平安時代にかけて中国や朝鮮半島から伝来した外来の音楽や舞が融合し、平安時代中期に大成された日本最古の伝統芸能です。宮廷や社寺の儀式で用いられてきました。また雅楽には、五穀豊穣を祈る意味も込められており、普段は岩村の秋祭りにおいて城下町の行列に加わり、奉納演奏が行われています。
当日は、岐阜を拠点に活動する雅楽松風会と岩村町雅楽保存会が共演。7名の楽器奏者と1名の舞人による迫力ある演奏が披露されました。
神社の祭事でも親しまれている楽曲や舞を中心に演じられ、演奏が始まった瞬間、空気が一変するかのような緊張感と神聖さに包まれました。それは、長い歴史をもつ日本文化ならではの、独特の感覚です。

演奏後には演者の方々との交流の時間も設けられ、雅楽の歴史や楽器について直接お話を伺うことができました。雅楽は「天・空・地」を表現する芸能ともいわれ、その世界観は岩村の澄んだ空気や静かな佇まいともどこか響き合います。保存会の藤井さんは中学生への指導も行っており、この伝統を次世代へとつないでいきたいと語ります。この体験をきっかけに、より多くの人が雅楽の魅力を知り、未来へ受け継がれていくことが期待されます。

食で巡る、恵那岩村の物語

ディナーは、岐阜県恵那市のシェフによる特別なコース料理。
恵那岩村の食文化は、厳しい自然環境の中で育まれてきました。寒暖差の大きい山間地、痩せた土壌、そして長い冬。人々は自然を支配するのではなく、折り合いをつけながら生きてきました。発酵、保存、乾燥、燻製——それらはすべて、自然と共に生きるための知恵の結晶です。
今夜のコースは、恵那の人々が何を食べ、どのように暮らしてきたのか、その営みを辿る“食の物語”です。伝統の知恵を現代の感性で再構築し、一皿一皿にこの土地の記憶が込められたコースを堪能していただきました。

ディナーの前には、地元産の米を使った五平餅を囲炉裏で焼く体験も。香ばしく焼き上げた五平餅を囲みながら、地域の恵みに感謝する時間を過ごしました。
コースでは、サーモンのミキュイ 菊芋のピュレ添え、三浦豚のロースト 山の出汁リゾット添えなど、地域の食材をふんだんに使った特別な一皿を堪能。山の恵みが随所に感じられる構成です。

さらにディナーにはスペシャルゲストも登場。この日出会った岩村醸造の渡會さんや、岩村地域自治区運営協議会の佐々木さんが会場を訪れ、地域の歴史や人々の想いを直接語ってくださいました。 地元の方々の言葉に触れながら、ゲストの岩村への想いはより一層深まりました。食を通して土地と人を知る、忘れられないひとときとなりました。

朝食は、移住者が営む「いね cafe」から届けていただいた、地域の野菜をふんだんに使った和洋折衷の朝食です。岩村が好きで移住してきた、いねさんの温かな人柄と、外からの移住者も快く受け入れるこの町の懐の深さが感じられました。

今回の旅では、岩村出身ガイドのアキラさんや地元の方々はもちろん、スイスから移住してきたガイドのアンヌさんのような移住者の方々からも、この地の魅力を伺う機会に恵まれました。

旅の終わりに、岩村を想う

翌日、旅の最後に訪れたのは、城下町と富田地区を見守る岩村城跡です。山道を少しトレッキングしながら登ると、往時の歴史の面影を感じられるだけでなく、豊かな自然と連なる山並みの雄大な景色が広がります。頂上からは、旧城下町である富田地区と現在の城下町の両方を一望することができます。

三人の偉人や女城主の存在、そして今も息づくその精神性に思いを馳せながら岩村のまちを見渡し、今回の旅での出会いや学びを静かに振り返りました。
岩村を訪れると、どこか故郷に帰ってきたかのような懐かしさと、旅行者を温かく迎え入れてくれる空気を感じます。この特有の空気を生み出している岩村の精神性に触れながら、学び、暮らすように滞在する旅へ——ぜひ出かけてみませんか。

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陸と海から巡る瀬戸内:三幕で綴る旅 https://tricolage.com/ja/magazine/setouchi-by-land-and-sea-a-journey-in-three-acts/ Mon, 02 Feb 2026 17:37:29 +0000 https://tricolage.com/?p=17732 陸と海から巡る瀬戸内:三幕で綴る旅   瀬戸内海に抱かれる瀬戸内地域は、本州側の兵庫・岡山・広島・山口、四国側の愛媛・香川・徳島の7県と、海に点在する約700の島々から成り立っています。異なる魅力を持つ3つの場所を巡りながら、その美しさと奥深い魅力を探る旅へ、どうぞご一緒ください。 長門湯本温泉(山口):絵のように美しい温泉街 本州最西端に位置する山口県は、海外からの旅行者にとってはまだあまり知られていない存在です。私がその魅力に出会ったのは、小さな温泉街・長門湯本温泉を訪れたときでした。東京から新幹線で約5時間強で山口駅へ、そこからさらに車でおよそ1時間ほどで温泉街に到着します。 ここでは、特定の観光スポットが主役というよりも、街そのものが魅力です。自然と伝統が溶け合い、思わず惹きつけられる雰囲気を生み出しています。私は音信川沿いの散策路を歩きましたが、川岸には足湯やカフェ、レストランが点在し、穏やかな時間が流れていました。街の中心に佇むのが、約600年の歴史を持つ温泉「恩湯(おんとう)」。浴槽の真下から湯が湧き上がるこの温泉は、何世代にもわたり、地域の人々の暮らしに欠かせない存在であり続けています。 私が滞在したのは、SOIL Nagatoyumoto。明治時代(1868〜1912年)から親しまれてきた老舗温泉旅館を再生した複合施設です。建物の骨格や歴史的な意匠の多くはそのまま残され、一方で川沿いの景色を存分に楽しめるよう、大きな額縁のような窓が新たに設けられています。館内は、伝統的な和紙や地元産の木材が用いられ、明るく温もりのある空間に仕上げられており、隣接する萩市の陶器がさりげないアクセントを添えています。 このホテルでは、滞在をより豊かなものにするためのさまざまな体験プログラムを手配してくれます。私は百姓庵の塩職人、井上雄然さんを訪ね、自然の力がどのように彼の長年受け継がれてきた製塩の工程を形づくっているのかを学びに出かけました。 山と海が育む味わい 雄然さんは、1905年に政府が国内の商業市場を整備するため専売制度を設け、小規模な民間生産者による製塩が1997年まで禁止されていた経緯を語ってくれました。これらの規制がようやく撤廃され、塩職人たちは伝統的な製法を再び蘇らせることができるようになったのです。 「日々の暮らしの中で本当に役に立つものを、自分の手で生み出したいと思ったことが、塩づくりとの出会いでした」と、彼は話してくれました。 雄然さんが製塩の拠点として選んだのは、長門市の油谷湾でした。周囲の山々に広がる森のミネラルが雨とともに川を下り、湾の汽水域で海水と混ざり合うことで、百姓庵ならではの個性ある塩が生まれています。 雄然さんが用いているのは、「立体式」と呼ばれる製法です。汲み上げた海水を、手作業で組まれた精巧な竹の立体構造に流しかけ、時間をかけて自然に蒸発させていきます。こうして濃縮されたかん水を集め、煮詰めて結晶化させ、最後に乾燥させて完成します。 「季節や天候、山の状態によって味わいが変わるので、ひとつひとつがまさに“その日の塩”になるんです」と雄然さんは語ります。 「山と川と海が、どうつながっているのかを味で感じることができますよ」 さまざまな塩を試食するうちに、私はその言葉の意味を実感しました。SOIL併設のイタリアンレストラン「Taru」も、こうした海の恵みを生かしている場所のひとつです。 竹原(広島):歴史が息づく港町 次に訪れたのは竹原。ここでツアーガイドのミルズ順子さんと合流しました。竹原は、かつて塩や酒の生産で栄えた町並みが今も美しく残る、保存状態の良い歴史地区で知られる港町です。大阪出身の順子さんは、アメリカ人のご主人の仕事をきっかけにこの地へ移り住み、今では竹原の魅力にすっかり惹かれて暮らしています。 「土地を理解するいちばんの近道は、地元の人々と出会うこと」——そう信じる順子さんは、ゲスト向けの体験のひとつとして、民舞の鑑賞とレッスンを企画しています。 順子さんは私を、民舞保存会の親しみやすい年配の踊り手お二人に紹介してくれ、私たちは長い歴史を持つ竹原やっさっさ踊りをもとにした演舞を鑑賞しました。この踊りの起源は、16世紀に尊崇を集めた「高麗鐘(こまがね)」がもたらされたことを祝う、喜びに満ちた祭りにさかのぼります。(この963年に朝鮮半島で作られた古代の銅鐘は、現在、近くの照蓮寺に安置されています。) 現在踊られているやっさっさ踊りは、竹原のために特別に作られた音楽と振付が用いられています。踊り手たちは、菅笠に年代物の着物を身にまとい、要所要所で「やっさっさ(=さあやろう!)」と元気よく掛け声をかけます。動き自体は素朴ながら、手振りは優雅で、一つひとつが正確です。 「この所作のひとつは、“やっさっさ”本来の意味——喜びを表して両手を上げる動作から来ているんです」と、順子さんは教えてくれました。 踊りに加わる新たな担い手 実は順子さん自身も踊り手の一人です。約10年前、ある公演に心を奪われたことをきっかけに、この踊りの一座に加わりました。コロナ禍で高齢の踊り手が多く引退する中、彼女はこの伝統を守りたいという強い思いを抱くようになったといいます。現在では、海外からの旅行者の前で披露することも、その大切な取り組みの一環となっています。 「観てくれる人がいるからこそ、踊りを続けていけるんです」と順子さんは語ります。  「楽しんでいただけたら嬉しいですが、同時に、参加すること自体が文化の継承につながっていると感じてもらえたらと思っています」 踊りのレッスンと記念撮影を終えた後、私たちは情緒あふれる竹原の町並みを散策し、さらに石段を上って、もう一つの寺院である風情豊かな西方寺へ向かいました。境内にある普明閣(観音堂)には珍しい展望台が設けられており、そこからは町を一望する雄大な景色が広がっていました。 竹原に滞在したい方には、NIPPONIA HOTELがおすすめです。歴史的な趣を大切にしながら丁寧に修復された建物に宿泊でき、往時の雰囲気をそのままに、現代の旅行者にふさわしい快適さも兼ね備えています。 大三島(愛媛):しまなみ海道沿いの風光明媚な立ち寄り地 私の瀬戸内の旅は、愛媛県の大三島で締めくくられます。大三島は、広島・尾道から愛媛・今治まで、瀬戸内海を越えて6つの島と7つのダイナミックな橋を結ぶ、世界的にも評価の高いサイクリングロード「しまなみ海道」の途中に位置しています。 このルートは1日で走り切ることも可能ですが、ゆったりと旅を楽しむ余裕は少なく、経験の浅いサイクリストにとっては体力的に厳しい場合もあります。目的地だけでなく「道のりそのもの」を味わう旅だからこそ、途中で区切って走るのは魅力的な選択肢です。そして、ほぼ中間地点にあたる大三島にあるWAKKAは、立ち寄る場所として最適です。ホテル、カフェ、サイクリングサポートセンターを兼ね備え、ゆっくりとしたペースで走りたいライダーのための環境が整っています。 「初心者の方が、1日で走破しようと無理をしている姿をよく見かけます。息を切らし、下を向いたまま、美しい景色の中を走っているのに、実は何も見えていないんです」と語るのは、奥さんとともにWAKKAを運営する創設者の村上あらしさん。 彼が勧めるのは、1日約35kmを目安にした2日間の行程。そうすることでペースを落とし、島々の風景をじっくり味わうことができます。 「このエリアの魅力をより深く体感でき、旅そのものがずっと豊かで、記憶に残るものになりますよ」と、村上さんは話してくれました。 島時間に身をゆだねて、ひと休み WAKKAでは、コテージ、ドームテント、バンクルームなど、予算や旅のスタイルに応じた多様な宿泊オプションが用意されています。私はその中でも、デザイン性が高く、ゆったりとしたコテージに滞在しました。プライベートテラスで地元の新鮮な食材を使ったバーベキューを楽しみながら瀬戸内の美しい夕景を眺め、夜は穏やかな波音に包まれて眠りにつきました。 翌朝は、多々羅海峡と多々羅大橋を望む素晴らしい景色に背中を押され、スニーカーを履いて軽くランニングへ。その後、館内カフェ(ランチタイムは宿泊客以外も利用可)で、自家製パンを中心とした美味しい朝食をいただきました。 WAKKAでは、サイクリスト向けの充実したサポートサービスに加え、釣りやSUP、クラフト体験、ガストロノミーのワークショップなど、大三島での滞在をより楽しむためのさまざまなアクティビティを手配してくれます。周辺の見どころとしては、国内有数の武具・甲冑コレクションを誇る博物館を併設した重厚な大山祇神社や、近隣にある、近代・現代日本画で知られる大三島美術館などがあります。 この短い旅は、瀬戸内が旅人を惹きつけてやまない、多彩な風景と体験のほんの一端を味わわせてくれるものでした。自然の恵みに満ちたこの地域の多様な魅力を知るための、まさに出発点といえるでしょう。

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陸と海から巡る瀬戸内:三幕で綴る旅

 

瀬戸内海に抱かれる瀬戸内地域は、本州側の兵庫・岡山・広島・山口、四国側の愛媛・香川・徳島の7県と、海に点在する約700の島々から成り立っています。異なる魅力を持つ3つの場所を巡りながら、その美しさと奥深い魅力を探る旅へ、どうぞご一緒ください。

長門湯本温泉(山口):絵のように美しい温泉街

本州最西端に位置する山口県は、海外からの旅行者にとってはまだあまり知られていない存在です。私がその魅力に出会ったのは、小さな温泉街・長門湯本温泉を訪れたときでした。東京から新幹線で約5時間強で山口駅へ、そこからさらに車でおよそ1時間ほどで温泉街に到着します。

ここでは、特定の観光スポットが主役というよりも、街そのものが魅力です。自然と伝統が溶け合い、思わず惹きつけられる雰囲気を生み出しています。私は音信川沿いの散策路を歩きましたが、川岸には足湯やカフェ、レストランが点在し、穏やかな時間が流れていました。街の中心に佇むのが、約600年の歴史を持つ温泉「恩湯(おんとう)」。浴槽の真下から湯が湧き上がるこの温泉は、何世代にもわたり、地域の人々の暮らしに欠かせない存在であり続けています。

私が滞在したのは、SOIL Nagatoyumoto。明治時代(1868〜1912年)から親しまれてきた老舗温泉旅館を再生した複合施設です。建物の骨格や歴史的な意匠の多くはそのまま残され、一方で川沿いの景色を存分に楽しめるよう、大きな額縁のような窓が新たに設けられています。館内は、伝統的な和紙や地元産の木材が用いられ、明るく温もりのある空間に仕上げられており、隣接する市の陶器がさりげないアクセントを添えています。

このホテルでは、滞在をより豊かなものにするためのさまざまな体験プログラムを手配してくれます。私は百姓庵の塩職人、井上雄然さんを訪ね、自然の力がどのように彼の長年受け継がれてきた製塩の工程を形づくっているのかを学びに出かけました。

山と海が育む味わい

雄然さんは、1905年に政府が国内の商業市場を整備するため専売制度を設け、小規模な民間生産者による製塩が1997年まで禁止されていた経緯を語ってくれました。これらの規制がようやく撤廃され、塩職人たちは伝統的な製法を再び蘇らせることができるようになったのです。

「日々の暮らしの中で本当に役に立つものを、自分の手で生み出したいと思ったことが、塩づくりとの出会いでした」と、彼は話してくれました。

雄然さんが製塩の拠点として選んだのは、長門市の油谷湾でした。周囲の山々に広がる森のミネラルが雨とともに川を下り、湾の汽水域で海水と混ざり合うことで、百姓庵ならではの個性ある塩が生まれています。

雄然さんが用いているのは、「立体式」と呼ばれる製法です。汲み上げた海水を、手作業で組まれた精巧な竹の立体構造に流しかけ、時間をかけて自然に蒸発させていきます。こうして濃縮されたかん水を集め、煮詰めて結晶化させ、最後に乾燥させて完成します。

「季節や天候、山の状態によって味わいが変わるので、ひとつひとつがまさに“その日の塩”になるんです」と雄然さんは語ります。

「山と川と海が、どうつながっているのかを味で感じることができますよ」

さまざまな塩を試食するうちに、私はその言葉の意味を実感しました。SOIL併設のイタリアンレストラン「Taru」も、こうした海の恵みを生かしている場所のひとつです。

竹原(広島):歴史が息づく港町

次に訪れたのは竹原。ここでツアーガイドのミルズ順子さんと合流しました。竹原は、かつて塩や酒の生産で栄えた町並みが今も美しく残る、保存状態の良い歴史地区で知られる港町です。大阪出身の順子さんは、アメリカ人のご主人の仕事をきっかけにこの地へ移り住み、今では竹原の魅力にすっかり惹かれて暮らしています。

「土地を理解するいちばんの近道は、地元の人々と出会うこと」——そう信じる順子さんは、ゲスト向けの体験のひとつとして、民舞の鑑賞とレッスンを企画しています。

順子さんは私を、民舞保存会の親しみやすい年配の踊り手お二人に紹介してくれ、私たちは長い歴史を持つ竹原やっさっさ踊りをもとにした演舞を鑑賞しました。この踊りの起源は、16世紀に尊崇を集めた「高麗鐘(こまがね)」がもたらされたことを祝う、喜びに満ちた祭りにさかのぼります。(この963年に朝鮮半島で作られた古代の銅鐘は、現在、近くの照蓮寺に安置されています。)

現在踊られているやっさっさ踊りは、竹原のために特別に作られた音楽と振付が用いられています。踊り手たちは、菅笠に年代物の着物を身にまとい、要所要所で「やっさっさ(=さあやろう!)」と元気よく掛け声をかけます。動き自体は素朴ながら、手振りは優雅で、一つひとつが正確です。

「この所作のひとつは、“やっさっさ”本来の意味——喜びを表して両手を上げる動作から来ているんです」と、順子さんは教えてくれました。

踊りに加わる新たな担い手

実は順子さん自身も踊り手の一人です。約10年前、ある公演に心を奪われたことをきっかけに、この踊りの一座に加わりました。コロナ禍で高齢の踊り手が多く引退する中、彼女はこの伝統を守りたいという強い思いを抱くようになったといいます。現在では、海外からの旅行者の前で披露することも、その大切な取り組みの一環となっています。

「観てくれる人がいるからこそ、踊りを続けていけるんです」と順子さんは語ります。

 「楽しんでいただけたら嬉しいですが、同時に、参加すること自体が文化の継承につながっていると感じてもらえたらと思っています」

踊りのレッスンと記念撮影を終えた後、私たちは情緒あふれる竹原の町並みを散策し、さらに石段を上って、もう一つの寺院である風情豊かな西方寺へ向かいました。境内にある普明閣(観音堂)には珍しい展望台が設けられており、そこからは町を一望する雄大な景色が広がっていました。

竹原に滞在したい方には、NIPPONIA HOTELがおすすめです。歴史的な趣を大切にしながら丁寧に修復された建物に宿泊でき、往時の雰囲気をそのままに、現代の旅行者にふさわしい快適さも兼ね備えています。

大三島(愛媛):しまなみ海道沿いの風光明媚な立ち寄り地

私の瀬戸内の旅は、愛媛県の大三島で締めくくられます。大三島は、広島・尾道から愛媛・今治まで、瀬戸内海を越えて6つの島と7つのダイナミックな橋を結ぶ、世界的にも評価の高いサイクリングロード「しまなみ海道」の途中に位置しています。

このルートは1日で走り切ることも可能ですが、ゆったりと旅を楽しむ余裕は少なく、経験の浅いサイクリストにとっては体力的に厳しい場合もあります。目的地だけでなく「道のりそのもの」を味わう旅だからこそ、途中で区切って走るのは魅力的な選択肢です。そして、ほぼ中間地点にあたる大三島にあるWAKKAは、立ち寄る場所として最適です。ホテル、カフェ、サイクリングサポートセンターを兼ね備え、ゆっくりとしたペースで走りたいライダーのための環境が整っています。

「初心者の方が、1日で走破しようと無理をしている姿をよく見かけます。息を切らし、下を向いたまま、美しい景色の中を走っているのに、実は何も見えていないんです」と語るのは、奥さんとともにWAKKAを運営する創設者の村上あらしさん。

彼が勧めるのは、1日約35kmを目安にした2日間の行程。そうすることでペースを落とし、島々の風景をじっくり味わうことができます。
「このエリアの魅力をより深く体感でき、旅そのものがずっと豊かで、記憶に残るものになりますよ」と、村上さんは話してくれました。

島時間に身をゆだねて、ひと休み

WAKKAでは、コテージ、ドームテント、バンクルームなど、予算や旅のスタイルに応じた多様な宿泊オプションが用意されています。私はその中でも、デザイン性が高く、ゆったりとしたコテージに滞在しました。プライベートテラスで地元の新鮮な食材を使ったバーベキューを楽しみながら瀬戸内の美しい夕景を眺め、夜は穏やかな波音に包まれて眠りにつきました。

翌朝は、多々羅海峡と多々羅大橋を望む素晴らしい景色に背中を押され、スニーカーを履いて軽くランニングへ。その後、館内カフェ(ランチタイムは宿泊客以外も利用可)で、自家製パンを中心とした美味しい朝食をいただきました。

WAKKAでは、サイクリスト向けの充実したサポートサービスに加え、釣りやSUP、クラフト体験、ガストロノミーのワークショップなど、大三島での滞在をより楽しむためのさまざまなアクティビティを手配してくれます。周辺の見どころとしては、国内有数の武具・甲冑コレクションを誇る博物館を併設した重厚な大山祇神社や、近隣にある、近代・現代日本画で知られる大三島美術館などがあります。

この短い旅は、瀬戸内が旅人を惹きつけてやまない、多彩な風景と体験のほんの一端を味わわせてくれるものでした。自然の恵みに満ちたこの地域の多様な魅力を知るための、まさに出発点といえるでしょう。

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なぜ「ゆっくり選ぶ」ことを大切にするのか:丹波焼と“心を込めた消費”の価値 https://tricolage.com/ja/magazine/why-we-choose-slowly-tamba-yaki-and-the-importance-of-mindful-consumption/ Thu, 07 Aug 2025 23:04:00 +0000 https://tricolage.com/magazine/why-we-choose-slowly-tamba-yaki-and-the-importance-of-mindful-consumption/ 丹波焼の素朴で伝統的な工芸に触れ、 マインドフル・コンサンプションの価値を探る

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清水俊彦さんの自宅は、静けさに包まれている。彼は静かに、これまでに何万と生み出してきた器に加えるための、ひとつのマグカップを成形していた。

家の1階は陶芸工房となっており、棚やテーブルには、丹精込めて作られた器が並ぶ。その一つ一つに、技術と忍耐、そして作り手の芸術性が込められている。その美しさと精緻さは、清水さんの丹波焼の熟練ぶりを自然と物語るが、同時に「買う前にじっくり考える」という、今の時代にこそ思い出したい姿勢を私たちに思い起こさせる。

Traditional Japanese pottery and ceramics shop storefront with wooden shelves displaying various handcrafted bowls, plates, and kitchenware, featuring a rustic aesthetic with vintage bicycles and baskets on the left side.
清水俊彦さんの工房の入り口

衝動買いを誘うのではなく、彼の工房は訪れる人に“立ち止まり、観察し、考える”ことを促す。色合い、凹凸、模様──それぞれが唯一無二の個性を持つ器を目の前にして、選ぶプロセスそのものが深い気づきをもたらす。こうした意識的な選択は、清水さんの技と、丹波焼の特別さへの敬意をより一層深める。

丹波焼は「日本六古窯」のひとつで、素朴な魅力と自然との深い結びつきで知られている。兵庫県で800年以上前に始まったこの焼き物は、「侘び寂び」という日本独自の美意識を体現しており、不完全さや儚さを愛でる心を育ててくれる。地元の土は、丹波焼の素朴な色味と力強い質感を生み出し、器に“根ざした”ような安心感と永続性を感じさせる。

丹波焼の一つ一つには、丹波独自の焼成技法という物語がある。清水さんを含む陶芸家たちは、伝統的な薪窯を使う。薪が燃えることで生まれる灰が自然と器に降り積もり、熔けて釉薬となる──火と灰と土が交わることで、有機的で温かみのある色合いと風合いが生まれるのだ。その偶然性ゆえに、まったく同じ器は二つとして存在しない。

清水さんの作品の数々は、彼がこの道に費やした年月と献身の証でもある。彼は19歳ごろから陶芸の道を歩み始め、故・河井寛次郎氏や生田和孝氏といった名匠に師事した。そして現在、80歳になった今は、その技を息子の清水剛さんへと継承している。親子で伝統を守り、丹波焼の灯を絶やすことなく受け継いでいる。

Artisan potter carefully shaping clay on a spinning wheel in a traditional Japanese workshop surrounded by handmade ceramic pieces and tools.
清水俊彦さん

現在、清水さんは視覚に頼って作品の品質を確認しているという。右手が思うように動かず、身体の一部に感覚もない。そうした制約の中でも、彼は窓際に座り、できるだけ多くの光を取り込んで動きを導きながら、静かにひとつの器に集中している。その背景を知ることで、彼の工房に並ぶ一皿一碗の重みが、より深く心に響く。

Handcrafted ceramic pottery and artisan vessels arranged on a wooden windowsill overlooking green mountains and traditional Japanese village rooftops, creating a serene slow-living aesthetic.

大量生産された品が並ぶドン・キホーテの棚で、客が商品を急いでカゴに詰め、免税レーンに急ぐ光景とは対照的に、清水さんの工房では、器を「選ぶ」という行為そのものが静かな意思表示となる。見た目がほとんど同じ皿でも、焼成や、自然から作る灰などの釉薬の違いで片方はよりざらついた仕上がりになっているかもしれない。そうした細部に目を凝らしながら、何を選ぶかをじっくり考える時間が、“心ある消費”につながっていく。

丹波の山間、立杭という陶芸の里に清水さんの工房はある。ここは偶然に通りかかるような場所ではなく、「訪れる」ための目的地だ。だからこそ、ここでの買い物は重みを増す。「本当にこれでいいのか?」と自問しながら手にする一皿は、すでにただの器ではない。あなたがそれを選んだ理由、両手に器を持って迷ったあの静かな時間、それらがひとつの“物語”となり、あなたの記憶の中に生き続ける。

清水さんの工房を訪れるという行為は、単なる買い物ではない。それは“感謝の気持ちをかたちにする”静かな営みだ。利便性が優先されがちな現代だからこそ、丹波の山あいに足を運ぶことは、「時間をかける価値があるもの」を思い出させてくれる。心を込めて選ばれた一枚の皿やカップは、日本の記憶であるだけでなく、その背景にある物語・土地・人々の記憶でもある。

もしあなたが、いわゆる“ゴールデンルート”以上の意味ある体験を求めているなら、少し道を外れてみることをお勧めしたい。私たちTricolageは、日本の「生きた伝統」と出会える体験を大切にしている。ひとつひとつの器が物語を持つように、出会いのひとつひとつにも、あなた自身の物語が宿ると信じている。

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瀬戸内海での思い出に残る地域との交流 https://tricolage.com/ja/magazine/local-interactions-memories-made-with-locals-in-the-seto-inland-sea/ Sat, 24 Aug 2024 01:31:50 +0000 https://tricolage.com/magazine/local-interactions-memories-made-with-locals-in-the-seto-inland-sea/ 美しい瀬戸内海で、地元の人々との真の交流を通じて心に残る思い出を作る

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旅行先での思い出は、高級ホテルへの宿泊や有名観光地での写真撮影よりも、何気ない地域の人との会話だったりしますよね。

高温多湿な日本の夏ですが、地中海のような穏やかな気候の瀬戸内海で、地域の人との交流を通じた心に残る時間を過ごしてみませんか?

Sunset view over a calm river with silhouetted mountains and a small coastal town with an arched bridge, featuring dramatic clouds in shades of orange, pink, and blue.

無数の島々が連なる姿が特徴の瀬戸内海は、今も昔も多くの旅行者を魅了しています。

19世紀後半の1860年、明治維新後に瀬戸内海を訪れたドイツ人は、瀬戸内海を「これ以上のものは世界のどこにもない」と称賛しました。その旅行記の中で「the inland sea」という言葉を用いており、その翻訳語が瀬戸内海の由来と言われています。

瀬戸内海は、日本の中心地である京都や大阪と九州や中国などの国内外の地域を繋ぐ重要な海路であり、歴史的にも主要な交易の拠点でした。

18世紀中頃〜(江戸時代中期)明治30年には、大阪と北海道を繋ぐ北前船の交易が盛んに行われていたので、瀬戸内海の少雨温暖な気候と豊富な海水から製造される「塩」を中心に様々な生産物を国内地域に運んでいました。

今回は、瀬戸内海航路の中心地である広島県瀬戸田町(生口島)での、色濃い歴史と文化を通じた潮風の香りに包まれるひとときをお届けします。

旅行者と地域住民が交流する街 瀬戸田

瀬戸田がある生口島へは、広島市内から尾道まで電車で2時間弱、そして尾道からフェリーで40分ほどで瀬戸田に着きます。

瀬戸内海航路の重要拠点としての役割を担った瀬戸田港には、潮の流れを読みながら待つ船が集まり、「しおまちの港」として栄えました。

街には、耕三寺と瀬戸田港を繋ぐ参道として栄えた「しおまち商店街」がありますが、近年は少子高齢化や人口減少で担い手が不足し閉店するお店も少なくなかったそうです。

そんな中、製塩業や海運業で栄えた豪商・堀内家の築140年の邸宅を改装した旅館、Azumi Setodaが誕生しました。

Traditional Japanese street with wooden machiya buildings featuring dark lattice facades and ornate tiled roofs, lined by a low wooden fence along a quiet stone-paved walkway.
商店街のすぐ側にあるAzumi Setoda

建物は当時の建築様式を継承しつつ、日本の伝統建築の手法・数寄屋造り用いて改装しており、客室は和の雰囲気を残しつつ、お風呂やベッドなどはモダンな作りで、一階と二階で異なる景色が楽しめます。

この旅館は、旅行者と地域の人が交流できる瀬戸田を目指しています。

Traditional Japanese ryokan room featuring natural wood flooring, shoji screen doors, and a private hinoki cypress bath overlooking a serene garden courtyard.
モダンな和洋室

Azumiの支配人と地域商店街の会長曰く、このプロジェクトを行うにあたり、両者とも地域の良さを多くの人に伝えて観光地としての魅力を向上させ、地域コミュニティの活性化をさせたい、という気持ちがありました。そこで「どんな瀬戸田にしたいか」を両者で話し合い、「旅行者と地域住民が交流する瀬戸田」という答えに辿り着きました。

旅行者にとっても滞在の中で一番思い出として残るのは、「地域の人との交流」であり、その交流を生む仕掛けがたくさんあります。

Azumiに隣接するもう一つの旅館「yubune」は、宿でありながらも、銭湯とサウナがあり、地域の人々も使える施設なので、旅行者にとって地域との交流の場となっています。

食事場所としては、商店街のローカルなお店や地域食材を使った高級な炭火焼レストランを紹介し、食を通じた地域の人との交流を楽しめます。

アクティビティは、瀬戸田に魅力を感じ県外から移住してきた住民がガイドしており、彼らが運営する地域の魅力を体験できる街のリビングルーム「SOIL SETODA」でも地域と交流できます。

高校卒業後も地域に残りAzumi Setodaなどで働く地域の若者も多く、活気ある街作りやサービスの提供、旅行者への地元情報を伝えることで活躍しています。

Japanese bathhouse reception area with noren curtain entrance on the left displaying kanji characters for "men's bath" and a front desk with traditional textile decoration and staff member in the center.
yubuneの銭湯

島の暮らし体験や島民との交流を求め、国内外から多くの旅行者が訪れるようになり、

商店街の活性化や住民へのサービス提供、地域雇用創出など地域への貢献にも繋がりました。

地域と密接に関われる瀬戸田の魅力を感じながら、Azumi Setoda での贅沢な時間を過ごしてみませんか?

Two-story modern beach house under construction with wooden frame balcony and three surfboards displayed on the ground floor storefront entrance.
Soil Setoda

島間を走るしまなみ海道サイクリングツアー

瀬戸田での滞在中に楽しめるアクティビティとして人気なのが、島々を巡るしまなみ海道サイクリングツアーです。

サイクリストの聖地やナショナルサイクルルートとして世界的にも有名なしまなみ海道は、広島県尾道から愛媛県今治まで全長約70kmある道路です。

今回は、瀬戸田観光協会でレンタサイクルをし、多々羅大橋を渡り隣の大三島まで行き帰ってくる3時間コースを紹介します。

Cyclist in red jacket riding along Shimanami Kaido bridge bike path with cable-stayed bridge structure on left and scenic ocean views of Japanese islands in the background under partly cloudy skies
広島と愛媛の県境

瀬戸内海の島々や島アート作品を横目に海岸沿いの道を走り、日本初の国内レモン生産を始めた生口島のレモン農園に囲まれた道を抜けると多々羅大橋が目の前に現れました。

その大きな橋を自転車で駆け抜け、広島と愛媛の県境を越えていき、大三島につきました。

大三島やその隣の伯方島では、伝統的な塩田での自然塩作りが盛んでしたが、近代化により塩田は全廃され今はもう無いため、島の事業者が安心して食べられる塩を自分たちで製造しています。大三島工場では、製造方法の見学、再現された塩田の見学や、塩作り体験もできます。

隣の島へ自転車で簡単にアクセスでき、様々な島の魅力に触れられるのも瀬戸内海でのサイクリングツアーの魅力です。

Woman with bicycle standing beside stone monument with Japanese text at waterfront park, featuring modern cable-stayed bridge and mountain backdrop on Shimanami Kaido cycling route.

アートを通してみる瀬戸田の魅力

瀬戸内海の島々の景色はアーティストをも魅了しており、様々な作品が島に残っています。サイクリングツアー中は、たくさんの島アート作品を鑑賞しました。アートアイランドといえば直島ですが、実は瀬戸田にはより長い歴史があります。

Modern yellow sculptural tower with stacked conical shapes beside a palm tree at a waterfront promenade with mountains in the background.
眞板雅文「空へ」

1989年から開催されたアートプロジェクト「瀬戸田ビエンナーレ」によって設置された17作品がサンセットビーチ周りに多くあり、「島ごと美術館」と呼ばれています。

眞板雅文「空へ」や新宮晋「波の翼」など、想像力を掻き立てる作品が多く、様々な角度で見ると面白いです。作品の内容については、ぜひ島の人に聞いてみてください。

瀬戸田の魅力を絵に表現した代表的なアーティストは平山郁夫をおいて右に出る人はいません。瀬戸田出身である彼のコレクションが展示された平山郁夫美術館では、しまなみ海道の島々を結ぶ大橋の異なる時間の景色を描いた絵が多くあり、鮮やかな青と生い茂る山々の緑が特徴的です。島出身のアーティスト、その絵からは島に対する熱い想いを感じました。

Framed Japanese artwork depicting a pagoda silhouette centered within a circular vortex of blue and gold brushstrokes against a warm sunset sky.
平山郁夫 「瀬戸田の曼荼羅」

今回の旅で、旅行者、旅館、地域への「三方良しな観光」を体現しました。

旅行者が旅館での贅沢な滞在や地域との交流を通じて思い出に残る時間を過ごすことで、旅行者にとっての高い満足度につながるだけで無く、結果的に地域活性化に貢献しています。

Traditional Japanese inn window view overlooking a tranquil waterfront with tiled-roof buildings, manicured gardens, and misty mountains in the background.

持続可能な地域社会が魅力的な観光地を作っているのです。国内外の人を魅了し惹きつける瀬戸田で、贅沢な時間を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

Tricolageではこのような地域との交流ができる特別な旅をお届けすることができます。

是非、私たちと一緒にまだ経験したことのない旅へ出かけませんか?

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八丈島の日常を味わう非日常な旅 https://tricolage.com/ja/magazine/experience-the-extraordinary-luxury-journey-savoring-the-everyday-life-of-hachijojima/ Fri, 26 Jan 2024 04:27:00 +0000 https://tricolage.com/magazine/experience-the-extraordinary-luxury-journey-savoring-the-everyday-life-of-hachijojima/ 穏やかな時間が流れる日本の八丈島で、島の日常に溶け込む格別な贅沢を味わう

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東京旅行といえば何を想像しますか?高層ビルや最先端文化を想像することができると思います。しかし、東京にはこんなにも自然豊かな島があるのを知っていますか?

八丈島、富士箱根伊豆国立公園・伊豆諸島の南にある島、豊かな自然と個性的な文化が織りなすこの島は、東京から飛行機1時間程で、東京とは思えない世界に連れて行ってくれます。今回はTricolageが2023年12月に造成・運行した2泊3日八丈島外国人富裕層向け旅行で発見した新しい東京の姿をお届けします。

東京都の令和 5 年度事業である「東京島しょ地域のアクセス多様化に向けた企画検討業務」において、インバウンド富裕層をターゲットに八丈島の自然、歴史、文化を活かした持続可能な旅(サステナブルツーリズム)を、地域の事業者と共に企画しました。本ツアーでは、富裕層旅行企画運営を手掛けるチェコ、イギリス、イタリア、3 ヶ国の旅行代理店 3 名を招聘して実施、高い評価をいただきました。

Volcanic Mount Hachijo rising from the turquoise ocean waters of Hachijojima Island, framed by golden coastal grasses and rocky shoreline under a bright blue sky.

八丈島の成り立ちと文化

1日目は文化にスポットを当て、島特有の歴史と文化を学びました。

Traditional Japanese wooden shrine with stone lanterns and ceremonial decorations, viewed from a dining table with sake cups and wooden plates in the foreground at Hachijojima.

玉石垣の魅力

玉石垣は、雨風から住居を守るために丸い石を集めて建てられた石垣で、それが多く残る島役所跡近く大里集落に行きました。1つの石を5つで囲む六法積みの技術を代々受け継いでいる菊池国仁さんに特別にお話を伺いました。

昔の人は海岸から強い波で洗われた丸い石(約20~25キロ)を運んで、土で接着し詰みました。綺麗に積むには卵型で同じ様なサイズの石を選んで、石同士全ての面が触れさせる事が重要です。

Elderly Japanese man wearing glasses and a light blue jacket standing in front of traditional stone walls on Hachijojima Island.

「高校生の頃から父親を手伝い石の修理をしていたので自然と技術が身につき、今でも壊れることがあれば修繕をします。」そう言うと、国仁さんは八丈島の盆踊や宴会で手拍子と共に歌われる島の民謡「ショメ節」を披露。島民の暮らしから生まれた島の名所で、石垣の成り立ちや民謡を直接聞くことができ、参加者も大満足でした。

黄八丈の文化に継承者と共に触れる

Artisan hand weaving golden-yellow silk fabric on a traditional loom in Hachijojima, showcasing the island's renowned textile craftsmanship.

日本三大紬である伝統工芸品の黄八丈は、「染め」と「織り」が特徴的な絹織物で、草木染からできる黄色、樺色、黒色の3色を基調としており、織機は昔は地機で、現代は高機で主に織られています。約1000年前から続く、八丈島の名前の由来ともされている黄八丈は八丈島を知る上で欠かせない伝統工芸品です。

黄八丈を生産するめゆ工房で代々その染め方と織り方を受け継いでいる山下誉さんは、この伝統文化の継承に誇りを持っています。「この染めの技術は代々山下家にしか伝えられていません。他にはないこの3色がこの島にある島の人に幸せをもたらしました。」

昔使われていた地機と貴重な黄八丈の着物も見せていただきました。染め工程の1部を特別に黄色のスカーフ染めとして体験しました。自分染めたスカーフは世界に一つだけのお土産になりました。

Visitors participating in traditional silk fabric weaving workshop at Hachijojima, stretching golden-yellow kihachijo silk textile in a sunlit traditional Japanese workspace.

受け継がれる貴重な伝統文化を体験すると参加者は「とても素晴らしいオーセンティックな体験だった。山下さんだけに負担がかかることなく、この伝統文化が今後も長く続いていってほしい」と、文化継承への強い想いが残りました。

八丈島の恵みを贅沢にいただく

Fresh shiitake mushrooms growing on cultivation logs in a traditional Japanese mushroom farm on Hachijojima Island.

八丈島の温暖地域で風を浴びて育った、国産菌床から生まれた「うみかぜ椎茸」を大竜ファームで収穫体験し、その場でグリルして試食しました。「観光農園として収穫体験をして試食してもらうアクティビティを更に盛り上げていき、生まれ故郷の島への恩返しをしたい。色んな島と連携して観光客を呼び込みたい。」という地元愛溢れる大沢社長が案内してくれました。採れたてのグリルで焼いた椎茸は、肉厚でとても美味しかったです。

Gourmet meat dish topped with shaved cheese on a vibrant red pepper sauce, garnished with microgreens and served on an elegant gold-rimmed plate.

島の歴史や起源について学び体験した1日の締めくくりとして、八丈島にゆかりのあるElio Locanda Italianaのシェフによるスペシャルイタリアンディナーを満喫していただきました。八丈島で仕入れた食材をふんだんに使った料理が沢山で、その日に参加者とシェフが収穫した椎茸を使ったリゾットや、明日葉と八丈レモンのパスタ、八丈チーズのカンノーリ、八丈パッションフルーツのムースなど、イタリアンのフルコースが振舞われました。

シェフ「八丈島には何度か訪れたことがあり、地元の生産者とも交流があるので、今回も豊富な食材を直接仕入れました。今日のメニューに使う食材もほとんどが八丈島産のものです。」島の食材を熟知したシェフだからこそ提供できるスペシャルディナーに、参加者も「八丈島の食材を最大限に楽しめる、とても完璧な体験だ!」と、記憶に残る素晴らしい食事体験でした。

島でのラグジュアリーな滞在

Modern blue geodesic dome-shaped lava sauna with wooden door, set against a backdrop of lush green trees in a tranquil outdoor wellness area at Hachijojima.

今回の宿泊施設である、豊かな自然に囲まれた八丈島のラグジュアリーリゾート、LAVA SAUNA & VILLAは、自然とサウナが融合した心地よい空間で、極上のリラックスタイムを満喫し、時間の経過を忘れることができます。満天の星空でのサウナは格別です!

八丈島の自然に囲まれた地域の人々とのふれあい

2日目は八丈島の火山や植物などの大自然を五感で感じました。

八丈富士の火口でハイキング

Aerial view of Hachijojima's dramatic volcanic crater rim covered in lush green vegetation, with steep cliffs descending to the turquoise Pacific Ocean under partly cloudy skies.

八丈島の西にそびえる八丈富士は、雄大な富士山に似た標高854メートルの伊豆諸島最高峰です。火口遊歩道までの道は階段が多いので比較的歩きやすく、初心者の方も安心してトレッキングができます。ネイチャーガイドである大類さんは、八丈富士の動植物や火山の成り立ちについて説明してくださいました。「古い三原山と新しい八丈富士2つの火山を楽しめるのが八丈島の特徴です。火山でできた島なので生き物は海を渡ってきて大きな哺乳類はいないので、本土とは違う自然の中で育った植物が多いです。防衛能力がなくなっていったので、八丈島の植物は怠け者なんです(笑)」

 
 
浅間神社にて 人々の願いが込められた石

そんなお話を聞いているとあっという間に火口遊歩道まで到着、ここから山頂まで少し険しい道を登り、頂上から眺める緑豊かな火口とどこまでも続く海と島全体の景色は格別です。

火口の中、深い森に囲まれた場所には、八丈「富士」という名前の通り、富士山の信仰対象でもある浅間神社もあります。

参加者は「天気も良くこれはとてもいいアクティビティで、私にとっては島での「マスト」だ!」と、頂上からの景色に参加者も大興奮です。

八丈レモンと八丈太鼓の共鳴

Hand holding two freshly picked golden oranges in a citrus grove on Hachijojima Island, with ripe fruit hanging from trees in the background.

八丈レモン農園では、皮も果肉も丸ごと食べられる独自品種のレモンを専門としており、そのレモンを栽培する西浜さんは約10年もの間、試行錯誤をして完成させたそうです。

そこで試食したレモンを使って、レモンソーダやピンチョス、パスタ、ティラミスを近くのカフェ(イソロット)でいただきます。食事を楽しみながら、迫力ある八丈太鼓の演奏を特別に披露していただきました。西浜さんとクリスさんが台の上に横置きした太鼓を2人で叩き、1人がリズム(下拍)を叩き、もう1人がそれに合わせて自由に即興演奏(上拍)する八丈島独特の太鼓スタイルです

アメリカ出身のクリスさんは「元々ドラマーでしたが八丈太鼓の演奏を聞いて感銘を受け、八丈島へ移住し八丈太鼓グループのメンバーとして演奏しています。多くの人へその演奏の素晴らしさを伝えたいです。」と、伝統的な八丈太鼓の魅力を島民と一緒に伝えています

Two performers in traditional blue happi coats playing a large taiko drum in a vibrant studio space, with an illuminated "Aperol Spritz" sign and colorful artwork in the background.

2人の演奏の後は参加者の皆さんも体験し、その場の空気感と熱い音楽で繋がりました。「自分も演奏に参加でき、音楽でみんなと繋がれるのは良い体験!」と、とても楽しんでいました。

島の日常でゆっくりした時間を楽しむ

3日目は島民と一緒に島の暮らしをのんびりと体験しました。

Aerial view of Hachijojima's volcanic peninsula with lush green slopes and dramatic exposed rock formations jutting into the deep blue Pacific Ocean under a clear sky.

漁船で八丈小島へ

八丈島近くの無人島、八丈小島へ漁船で就航。特別な許可を得て小島に上陸し、島を間近で観察できました。残された集落跡から約60年前まで住んでいた昔の島民の暮らしがうかがえます。現在、この島は自然の状態を取り戻しつつあり、準絶滅危惧種クロアシアホウドリの繁殖地となっています。本来この時期は一般の観光客が入ることはできませんが、今回は特別にネイチャーガイドの岩崎さんと一緒に環境に影響が出ないよう注意しながら上陸し、島を散策しました。

A seabird soaring gracefully against dramatic turquoise ocean waves crashing below, capturing the wild coastal beauty of Hachijojima Island.

岩崎さんは今回のツアー全体の監修をしており、島の自然に対する想いが強く、

「八丈島みたいな自然豊かな土地では、自然の保護と活用をした経済活動を両立していけたらいいなと思っています。とても珍しいクロアシアホウドリを守り、数が増えたらお客さんに見ていただきたいです。」参加者もなかなか行けない島への上陸と船からの島のいろんな表情を楽しむ非日常体験に大変満足していました。

地元で愛される島民とユニークな食の冒険

島で愛されるえいこおばあちゃんと一緒に、郷土料理の島寿司を作って食べる体験をしました。島寿司は、旬の魚を醤油に漬け込み、ほんのり甘めの酢飯に乗せ、からしをトッピングするのが特徴です。温かく家庭的なガーデン荘で、一緒に島寿司や明日葉の天ぷらを作り、島のおもてなしと伝統を味わいました。

Tourists in colorful traditional Japanese headbands participate in a hands-on mochi-making experience at a local workshop in Hachijojima, guided by an instructor.

寿司を作りながら「最高!ベリーグッド!上手だ!」と皆を褒めてくれるえいこばあと

参加者との言語の壁を超えた交流が生まれました。

参加者は寿司を食べ、「自分で作ったからより美味しい!地元の人々と触れ合い、伝統をより深く理解できる素晴らしい体験だね。」と、大変満足です。

「島の文化を広めたいという想いで体験をしていますよ。」というばあちゃんの想いはしっかりと伝わりました。

Assorted nigiri sushi platter on decorative plate featuring fresh scallop, salmon, yellowtail, and seaweed garnish from Hachijojima

旅の締めに島焼酎で乾杯

八丈島でつくられている八丈焼酎や島酒は、古くから島民に親しまれてきました。

山田屋では、芋、麦、麦と芋のブレンドなど、各蔵元オリジナルの自慢の本格焼酎を販売しており、今回は特別に4種類の酒をテイスティングをしました。

「芋なさけ嶋 芋焼酎」「江戸酎 芋焼酎」「ジョナリー 麦芋ブレンド焼酎」「小笠原ラム ゴールド」

Four bottles of Japanese sake and shochu arranged on a wooden tray, featuring local Hachijojima spirits including traditional sake bottles with Japanese calligraphy labels and tropical-themed shochu bottles.

店主の山田さんは島の自然と文化を味わえる焼酎を通じて、島の食文化を伝えたいそうです。試飲した参加者は「地元で生産されたものを買ういい機会だし、焼酎の試飲はとっても興味深い。」と満喫しました。

心を豊かにするLuxuryな八丈島の旅

3日間のツアーを通じて、八丈島の魅力である黒潮や人がもたらした多様な文化、火山島特有の豊かで独特な自然、島民の暮らしを五感で感じることで、心の豊かさというLuxuryを追及しました。

地元愛溢れる島民だけでなく、国内外からの移住者も、島のために様々な方法で島の魅力を伝えており、旅行者へもとても親切です。参加者が「島民との交流が一番の魅力だね。」と言うように、一度会ったらまた会いたくなる人がいます。

Elderly Japanese woman in traditional clothing warmly shaking hands with a visitor in a local workshop filled with crafts and supplies on Hachijojima Island.

今回は島民のような地域の人とSustainable Luxuryな旅を創ることができました。

魅力溢れる八丈島へ、東京から1時間以内で行ける新しいデスティネーションとして訪れてみてはいかがでしょうか?

Sustainable luxuryな旅をプランしたい、地元の人とつながる旅をしたい、そう思っている人はお手伝いするので、Tricolageにお問い合わせください!

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Travelling off-season: Sustainable Tourism in Autumn https://tricolage.com/ja/magazine/travelling-off-season-sustainable-tourism-in-autumn/ Mon, 30 Oct 2023 03:30:00 +0000 https://tricolage.com/magazine/travelling-off-season-sustainable-tourism-in-autumn/ Embrace sustainable tourism by travelling off-season and experiencing the beauty of autumn

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Autumn, with its golden leaves and red beauty, is one of the favourite seasons for many people.

Both for its beauty and for the weather, with temperatures halfway between the heat of summer and the cold of winter. In Japan, it also coincides with the end of the typhoon season, largely over by the end of September.

Vibrant red and orange autumn maple leaves with glistening water droplets after rain, capturing the essence of fall season travel.

For travelling, autumn is an ideal period. After the peak summer season, when destinations are crowded and it is more difficult to enjoy a quiet holiday, comes this beautiful and pleasant period for travelling.

Benefits of travelling off season

Travelling off season has obvious benefits that every traveller has experienced. Destinations are less crowded, which allows you to enjoy them in a more relaxed way and have a higher quality experience. You have more space and time to appreciate and explore the most attractive destinations in Japan. Also, when travelling out of season the prices are cheaper, which allows any budget to include more amenities or activities for the same price.

But beyond these benefits, travelling in autumn has benefits closely linked to sustainable and responsible tourism that you may not be aware of.

Vibrant orange and golden maple leaves on delicate branches against a soft blurred background, showcasing the brilliant colors of autumn foliage.

Off-season travel and sustainable tourism

Travelling in autumn is a unique and enriching experience, with many benefits for both travellers and destinations. It allows you to explore Japan in a different way, discover lesser-known places and special events, while contributing to more sustainable tourism.

Sustainable tourism, which is essentially ” meeting the needs of the present without compromising the ability of future generations to meet their own needs” (United Nations definition of sustainability), has a lot to do with not saturating the destination, taking into account its carrying capacity and not having a negative impact on its population, its environment or its biodiversity. Indeed, according to the GSTC criteria, we must take account of the capacity and integrity of the natural and cultural surroundings of the site.

As travellers, we can contribute to this much more easily by travelling off season:

1. Avoid overtourism

Person walking through illuminated stone tunnel toward vibrant autumn foliage and fallen orange leaves covering the ground outside.

Overtourism is a major problem for the tourist destinations, the local population and also for you as a traveller. Japan is a country that attracts many international travellers because of its rich culture and tradition, its festivals, its landscapes… especially during the cherry blossom and summer periods. However, Japan has a lot to offer outside these times of the year. By choosing to travel off-season, travellers will avoid congesting locations, often fragile as it is an island nation.

This will avoid negative impacts on the country and allow you to benefit from a much better experience, appreciating the destination with calm, serenity and pleasure. If you want to slow down and enjoy slow travel without being surrounded by people all the time, come and discover the hidden charms of Japan in autumn. If you want to know more about slow tourism, we tell you more about the benefits a self-care vacation in this article.

2. Get deeper connections

As a consequence of the above is the fact of living deeper and more enriching experiences. By travelling calmly, surrounded by fewer travellers, you will be able to experience more quality interactions with the destination and the local population.

Traditional Japanese torii gate entrance framing a tree-lined pathway with vibrant autumn foliage in shades of orange and gold.

Local people will be more open and willing to welcome and share with the tourist if they don’t see their place of life suffocated, and can continue to enjoy an undisturbed routine of life. One of the GSTC’s sustainable tourism criteria takes this factor into account when referring to local livelihoods: tourism activity should not negatively affect local livelihoods. We try to maximize local benefits and visitor fulfilment while minimize the adverse impacts on sensitive sites.

3. Add value to your journey

Group of people walking through golden autumn field carrying harvested rice stalks, with lush green forest in the background

Live a unique experience and discover an unknown Japan by travelling off-season and getting to know lesser-known aspects of the country. During October and November, you will find in Japan numerous festivals (many of them related to harvest, with colourful parades and processions) and incredible light and illumination events.

Likewise, seasonal products are especially delicious in autumn. Sustainable tourism seeks to boost the local economy, and one way to do this is to consume local products.

The harvest season is an ideal time to try regional products, such as the rice harvested in autumn, called Shinmai (new rice).

Korean gimbap rolls arranged on blue ceramic plates with corn on the cob in a woven basket, displayed at an outdoor autumn dining setting with wooden chairs in the background.

Autumn is a time of countless attractions throughout the country. For lovers of culture and the arts, it is an ideal time too, as many major exhibitions are launched in October. By discovering lesser-known local factors, you can add value to your trip and make it unique.

4. Enjoy less-known amazing landscapes

When one thinks of Japanese landscapes, first think of the pink colours of Sakura. Clearly, the cherry blossom is a beautiful and special moment, but it is not the only one. The autumn colours that invade Japan at this time of the year are also beautiful, spectacular and special.

The Japan multi coloured autumn beauty is breathtaking. “One of the wonderful forms of beauty to be experienced in Japan is the way the hues of nature change as the seasons pass. When fall comes, colorful autumn leaves cover the mountains of Japan” (Portraits of Japan, JapanGov).

Vibrant red and orange Japanese maple leaves in sharp focus against a blurred forest backdrop during autumn season.

As it is a less crowded and quieter time, it allows you to experience the luxury of taking time to travel in a mindful, respectful and relaxed manner. However, it is not synonymous with inactivity, as there are plenty of hiking and trekking opportunities in autumn.

Enjoy hiking in Japan’s nature parks at this time of year and be enchanted by the autumn foliage. By hiking these places in the off-season, and therefore making them less crowded throughout the year, we are protecting the place and promoting biodiversity conservation. The leaves change colour in October at higher elevations and in the north, such as Hokkaido, and in November in places like Tokyo and Kyoto.

Conclusion

Stone lanterns lining a moss-covered wall along a forest path with vibrant orange autumn foliage and tall cedar trees at a Japanese shrine or temple.

To travel in autumn in Japan is to enjoy a unique atmosphere. The colours of the earth invite you to get in touch with nature by trying seasonal products produced in the region (such as Japanese chestnuts called Kuri, Matsutake Mushrooms or Sake), or to avoid the chilly at the opening of an art exhibition at the museum. It is a perfect time to take advantage of the benefits of travelling off-season and contribute to the wellbeing of the destination.

Indeed, every contribution we can make to sustainable and responsible tourism is a great act that not only benefits the local population, but also our experience as travellers and that of generations to come.

Do you also want to be amazed by the autumnal beauty of Japan?

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Tricolage on the World Tourism Day https://tricolage.com/ja/magazine/tricolage-on-the-world-tourism-day/ Wed, 27 Sep 2023 02:39:00 +0000 https://tricolage.com/magazine/tricolage-on-the-world-tourism-day/ Tricolage celebrates its commitment to sustainable travel on World Tourism Day

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Our commitment to sustainability on the occasion of World Tourism Day

World Tourism Day has been celebrated every 27 September since 1980. With tourism being one of the most important economic sectors in the world, the UNWTO considers it an indispensable pillar for the development of the 2030 Agenda for Sustainable Development. The disruption caused in the tourism sector by COVID-19 was seen as a reminder of the importance of redefining it.

Therefore, last year’s theme for World Tourism Day 2022 was “Rethinking Tourism”. This 2023, UNWTO has declared “Tourism and green investment” as the theme for World Tourism Day, advocating the need to create new and innovative solutions towards tourism sustainability.

Turquoise river flowing through a lush forest valley surrounded by tall evergreen trees and mountains in the background

This vision totally resonates with us. Tricolage was born in 2020 out of this need to contribute to positive change. We believe in tourism as a force for good, and every day we do our bit to make the world a little better. We believe in a world where happiness can be experienced through sustainable journeys.

Today, we take the occasion of World Tourism Day to look back on our journey and share with you what we have achieved so far, and what we want to accomplish in the future.

Tricolage's achievements

We achieved the GSTC Sustainable Tourism Certification

Our journey to achieve this prestigious recognition from the Global Sustainable Travel Council was not an easy one, but we are very proud to be the first tour operator to have succeeded in Japan in December 2022. Today, we can help others along the way, supporting them to increase their commitment to sustainable development. Also, it remains a major goal for us to best apply the criteria set by the GSTC and to maintain this certification over the years! You can find more details about it here.

We created a sustainable stay plan for Hotel Keyforest

In January 2023, as part of our consulting service, we created a plan for the Hotel Keyforest, located in Hokuto, that enables guests to realise a sustainable travel experience throughout their entire journey. We also developed the Hotel Keyforest website focusing on sustainability. For this contribution to sustainable tourism, we were featured in many Japanese media, such as the SDGs magazine, Project Design and the Japan Tourism Agency’s Project Report p82.

Modern white concrete building with angular geometric design featuring irregular trapezoid-shaped windows and a prominent angled metal entrance canopy, set against a clear blue sky.

We joined as a signatory of the Glasgow declaration

To go one step further, in May 2023, we became signatories of the Glasgow Declaration on Climate Action in Tourism to accelerate climate action. With that, we committed to measure and reduce carbon emissions, integrate social and environmental concerns, report publicly on our sustainability performance, encourage travellers to travel responsibly and influence stakeholders and suppliers for the benefit of the environment and destinations.

We hosted several training sessions on Sustainable Tourism

From May 2022 to January 2023, we trained Ube city in Yamaguchi prefecture on using Sustainable Tourism as a tool to help revitalise regional communities together with local stakeholders. We did this by providing seminars, running workshops, and designing sustainable travel contents to help integrate sustainability into their tourism policies. Likewise, we supported Sustainable Tourism development in Nikko (Tochigi prefecture) by hosting the seminar and workshops from October 2022 to January 2023. We also proposed and hosted GSTC training for 50 tour operators in Japan to support the development of sustainable tourism in our country, and we proactively shared insights to the participants even after the training (such as interviews and online seminars).

Weathered torii gate entrance to a Japanese shrine nestled in a lush forest with moss-covered grounds and traditional stone lanterns along the pathway.

We advocated for Sustainable Tourism in events and seminars

We hosted tourism events and have been speakers at others’, always promoting Sustainable Tourism. One example of this is the GSTC webinar in which we explained our process for achieving certification, or our participation in the Osaka Industrial Creation Center event in August about Sustainable Tourism in the Osaka region.

We designed travel itineraries focusing on sustainable tourism

The luxury travel itineraries we craft for inbound travellers are not only environmentally friendly, but also benefit local communities culturally, social and economically. To this end, we promote less-known regions and help to revitalise their local economy. We partner with knowledgeable local guides to share the history and culture of their regions, so the travellers can enjoy a meaningful experience. Working with local stakeholders, we are able to offer authentic experiences to our travellers. We are also committed to offering environmentally friendly travel options, including accommodation and transport.

We visited many destinations to meet local stakeholders

In order to develop Sustainable Tourism, we have visited many destinations ourselves over the past months, such as: Tanba Sasayama in Hyogo, Ube in Yamaguchi, Noto, Kanazawa, Hakusan, Kaga in Ishikawa, Amami island in Kagoshima, Yanbaru in Okinawa, Ine in Kyoto, Hokuto and Mt.Fuji in Yamanashi, Hakuba in Nagano, Fukuyama in Hiroshima, Yoshino in Nara, Koyasan in Wakayama, Hachijo island in Tokyo. If you want to see an example, here we tell you how was our experience in Ishikawa.

Japanese craftsman in traditional kimono demonstrating sword-making techniques to tourists at a table with katana and sword-making tools in a traditional Japanese room.

We are now preparing a 2023 sustainability report

Because we want to inform you about our sustainability performance and want to keep learning and improving!

Tricolage's future

With all the road we have already travelled and everything we have achieved so far, we want to keep moving forward, setting ourselves new goals and opening the way for Sustainable Tourism in Japan.

Travelling is synonymous with unforgettable experiences that are uniquely yours, as well as relaxing and getting away from the comfort of everyday life. We travel for ourselves but also for those who come after us. This is what leads us to carefully pamper the environment and the people who live there, their wellbeing and their traditions.

World Tourism Day is an excellent occasion to remember this commitment, but for us, every day is like this, we keep it always in mind and we work for it. At Tricolage we will do our utmost to further develop sustainable tourism in the future.

Traditional Japanese multi-tiered pagoda in orange-red color surrounded by lush green foliage with blurred yellow flowers in the foreground.

If you want to know more about us, follow us on social media or contact us directly!

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吉野の未知なる魅力:桜の先に広がる、吉野杉の世界 https://tricolage.com/ja/magazine/the-unknown-allure-of-yoshino-beyond-the-cherry-blossoms-the-world-of-yoshino-cedar/ Wed, 13 Sep 2023 02:21:00 +0000 https://tricolage.com/magazine/the-unknown-allure-of-yoshino-beyond-the-cherry-blossoms-the-world-of-yoshino-cedar/ 壮大で生命力あふれる杉林に焦点を当て、まだ知られていない吉野の魅力を探る

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日本、その美しい四季の風景や独特の文化は多くの旅行者を魅了し続けています。

Tricolage共同創業者の私、吉田が最近体験した吉野の旅は、それを更に深く、新たな角度から再認識させてくれるものでした。

ここは奈良県にある吉野町。奈良の中心地から電車で1時間、大阪や京都からm1時間半でアクセスできるこの地は、とてもゆったりとした時間が流れる静かな場所です。

Traditional Japanese temple building with wooden architecture overlooking a serene pond garden featuring manicured shrubs, stone arrangements, and lush green forest backdrop in Yoshino.

吉野と言えば、真っ先に多くの人々が思い浮かべるのは、春に咲き誇る桜の絶景や、霊峰として知られる金峰山でしょう。この時期、多くの観光客がその美しさを目の当たりにするために吉野を訪れます。しかし、桜の花が散っても、吉野の魅力は尽きることはありません。その理由は、「吉野杉」にあります。

吉野に足を踏み入れた瞬間に鼻をくすぐる杉と檜の香り。この香りは、吉野の町そのものを象徴するかのようでした。

Stack of freshly cut cedar logs with blue Japanese markings displayed at a traditional lumber yard in Yoshino.
ワールドクラスの木材が吉野にある

吉野材は、日本国内の有名な寺社建築はもちろん、現在は海外の建築家たちからも注目されています。吉野材を世界に紹介し「日本の技術と美」をテーマに普及活動を行うICHI株式会社の山中氏に、吉野の森を特別に案内してもらいました。

徐に車を停めて「こちらです」と案内いただいた道の横にそびえ立つのは、高さ30メートルを超える杉や檜の木々。観光地も人の姿も無いこの静かな森に、厳かに、そして真っ直ぐに空へと伸びるその姿は、まるで天を目指すかのようです。私はその光景に心からの感動を覚えました

Interior of a timber warehouse with stacked lumber organized on shelves and a red forklift positioned among the wooden planks under exposed beam ceiling with industrial lighting.

吉野の杉は、その品質で世界から高い評価を受けています。しかし、その秘密は気候や風土だけにあるわけではありません。この地で古くから行われている「密植」という手法 ー 高密度に植林され、時間をかけて間伐されることで、質の高い木を残して育てていく方法 ー で、丁寧に計画的な育林を行なっています。驚くべきことに、一般的に杉の成長は数十年と言われますが、吉野では数百年という長いスパンで木を育てているのです。

古代裕一氏は、吉野杉の素晴らしさに魅了された世界で活躍する建築家の一人。広島県福山市にある神勝寺禅と庭のミュージアム《洸庭》を作った建築家として名を馳せる彼は、山中氏と共にYoshino Woodを世界に発信しています。

Close-up of stacked natural wood logs showing detailed tree rings and weathered bark texture, commonly used for forestry or traditional building in Yoshino.

「吉野の木の伝統と持続可能性への取組は、私たちの使命ですー 」

と古代氏

伝統的な木工芸やアート、建築を通して、山の持続的な循環に繋げる試みは、今日本を超えて世界へ広がっています

付加価値をつける場所

吉野神宮駅から歩いて5分のところに、吉野材が集まる場所があります。

Three people conversing in a traditional Japanese woodworking workshop with exposed wooden beams, stacked lumber, and organized tools.

私のガイドを務めてくれたのは、吉野の木にまつわる様々な情報を発信している吉川さん。製材所を案内しながら、吉野材がどのように暮らしにつながっていくか語ってくれました。

「製材所って、具体的にどんな場所だと思いますか?」

吉川さんの問いかけに、私は少し逡巡しました。その間を縫うようにして、彼は微笑みながら

「僕は、木に付加価値を付ける場所だと考えています」

と答えました。

Interior of a traditional lumber warehouse in Yoshino with visitors observing stacks of milled wood planks and craftspeople working at woodworking stations.

原木から製品になるまで、製材所では約6つの工程があります。

職人は、1本1本を見極めてその木にあった製材をすることで、使っていくうちにわかる満足度の高い製品に仕上げていくと言います。そして端材はできる限り再利用し、一つの製品を作る過程で無駄になる木材をできる限り減らすことで、「1本1本の木を大切に使い切る」のだそう。

吉野の木に情熱と愛情を注ぐ彼らと出会い、私は自分の毎日の暮らしを改めて振り返りました。家や家具、いつも使う箸など、日々の生活に木は欠かせません。日常の裏側には、こんなにも豊かなストーリーで溢れているのかと、この旅で気付かされました。

コミュニティハウス「吉野杉の家」

吉野の木を回るツアーの後は、このユニークな宿にチェックイン。吉野川沿いに建つ吉野杉の家は、吉野材を体感するのにうってつけの施設です。吉野の杉や檜をふんだんに使い、日本の伝統的な建築技術と最新のデザインが融合したこの家は、実は建築だけが魅力なのではありません。

Traditional wooden Japanese building with wide veranda seating beneath a large tree, with a person sitting outside enjoying the peaceful rural setting in warm afternoon sunlight.

朝日が部屋に差し込んで、軒先には夜中に散歩していたのであろう、鹿の足跡が見えます。縁側でゆっくりコーヒーを飲みながら川を眺めていると、通り過がりの住民の方が挨拶をしてくれます。一人、またひとり ー 。そして次に声をかけてくださった方が、縁側の私のところへ朝食を持ってきてくれました。

Traditional Japanese wooden building with open deck and covered veranda nestled in lush forested mountains of Yoshino, featuring natural wood construction with tiled roofs.

この吉野杉の家は、地元の人々と訪問者が交流する場として建てられました。ここでは、コミュニティメンバーがホストとして出迎えます。単なる宿泊施設ではなく、地域の文化を学び、交流を楽しめるコミュニティハウスとしての機能を持っているのです。

コミュニティ基盤ツーリズムは、サステナブルツーリズムの一つの重要なあり方です。観光まちづくりについてのブログでご紹介しているように、観光を通して地域コミュニティの持続性を支えることができるのです。必ずしも「観光地」である必要はない、観光まちづくりという考え方。そしてその基盤となるコミュニティの協力があってこそ、持続可能な町が形成されていきます。

変革の旅

自らの足で森を歩き、自らの手で木材を触り、木の香りを感じて、地元の人と直接話をすることで、少しだけ吉野の暮らしに浸ることができました。たった1泊2日の滞在でしたが、日常の生活に戻った今、暮らしに存在するあらゆるものの見え方が少し違っているように思います。

旅は、その瞬間だけでなく、その後の生活、そして人生にも影響を与えることがあります。

Traditional orange torii gate and red pagoda beside a tranquil pond surrounded by lush green forest in Yoshino, Japan.

思うように旅ができなかった2~3年間
人々は旅の大切さを再認識したのではないでしょうか。

ゆっくり吉野に訪れて、旅の醍醐味を感じてみませんか?私たちは、日本での旅を有意義に、そしてサステナブルな形で提供しています。

まだまだ日本にはたくさんの魅力的な地域が存在します。心に残る旅を体験したい人は、是非こちらからお問い合わせください。

Linkedinではさまざまな情報を発信していますので、ぜひフォローをお願いします。

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ローカル線の車窓から石川の里海を眺める https://tricolage.com/ja/magazine/view-of-ishikawas-satoumi-from-a-local-train-window/ Tue, 15 Aug 2023 12:02:29 +0000 https://tricolage.com/magazine/view-of-ishikawas-satoumi-from-a-local-train-window/ 風光明媚なローカル線に乗り、石川の里海の美しい海岸線の風景を眺める

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「こんな素晴らしい場所、人に出会えて本当に良い旅だった!」

お客様にそう思っていただけることは、私たちにとってとても嬉しいことです。

同時に、地元の方々から「是非また来てください!今度はもっとゆっくりしていってね」と言っていただけると、今度はもっと長い時間をゆったりと過ごせる旅をお客様にお届けしたいという気持ちになります。

Three people sitting on the engawa porch of a traditional Japanese house with shoji screens, beside a large tree in a lush garden.
地元ガイドに話を聞くベンジャミンと吉田

観光地巡りも良いですが、それだけではない、人やディープな場所との出会いを得られる旅をデザインしお客様にお届けするーそのために、私たちはできる限り地域へ足を運び、地元の方々とお会いしてお話を聞いたり、自ら体験をしたりしています。

今回は、北陸地方の石川県に行ってきました。素晴らしいこの地域の様子や思ったことなどシェアします。

地方によって表情の異なる石川県

北陸に位置する石川県は、金沢市を中心とした南北に長い地域です。金沢市には兼六園や金沢城、ひがし茶屋街など、加賀百万石の城下町としてその歴史を感じられる街並みが残り、観光客に人気の街として知られています。南には日本三名山がある白山地方、北には風光明媚な里海風景や漆器で有名な輪島などが位置する能登地方があります。同じ県の中でも地方によって地形や文化の特徴が大きく異なり、とても珍しい地域と言えるでしょう。

Close-up of a traditional Japanese samurai helmet and armor display featuring a black iron helmet with distinctive crescent-shaped ornament and face mask, with blue and gold-toned chest armor visible below.
武家屋敷跡野村家の当主が合戦で着用していたと伝えられる甲冑

日本海に長く面する石川県は、もちろん海の幸も絶品。お寿司や海鮮丼、それに珍しい魚料理など、地産の食も大きな魅力の一つです。

里山・里海の「生活文化」 ー 能登地方

能登地方は県木のアテ(能登ヒバ)の森が眼下に広がり、飛行機から見下ろす風景は圧巻。今回の視察はここ能登地方から始まります。

Terraced rice paddies cascading down a coastal hillside in Ishikawa's Satoumi region, with turquoise ocean waters and a winding coastal road visible from a train window perspective.
白米千枚田

空港で能登DMCの小山さんとガイドの平田さんにお会いし、まずは伝統的な茅葺の屋根が特徴の「茅葺庵」へ。ここでは地域全体がひとつのホテルとなり、能登の暮らしをまるごと堪能できる場所「里山ホテル」を運営しています。

Three people conversing in a traditional Japanese interior with warm paper lanterns, exposed wooden beams, a vintage wall clock, and shoji screen doors illuminated by natural light.
能登の魅力を語る里山ホテル代表の山本さん

代表の山本さんは東京からのIターン組。能登の農村風景や暮らしや人に惚れ込み移住。ここでの伝統的な暮らしを旅行客に体験してもらうため、農業体験や茅葺庵でのお食事、時には茅を葺く体験まで提供しているそうです。地元のじぃじとばぁばも一緒にこの茅葺庵で旅行客をウェルカムし、想いいっぱいに能登の魅力を伝えていただきました。空港から程近いこの場所で、早速人の温かみを感じました。

Three people standing in front of a traditional Japanese thatched-roof house with weathered wooden facade, with the center person holding a red banner with Japanese calligraphy and a pink tote bag.
山本さんとベンジャミン、吉田 里山ホテルの前にて

有名な輪島の朝市を抜け、今度は輪島塗の沈金職人前古さんのお宅へ。

沈金とは、漆器の表面に沈金ノミで絵柄を彫り込み、溝となった部分に漆を接着材として塗り重ね、金箔や金銀粉を埋めて模様を描き出す技法です。昔ながらの伝統的な道具と技法で文様を描くことで、立体的で緻密な美しい仕上がりに。模様のデザインから道具のメンテナンスまで一人でこなす前古さんは、長年その分厚い手で、美しい絵柄を輪島塗の上に次々と表現し続けています。

Artisan's hands carefully painting delicate gold floral motifs onto a black lacquerware tray, with a pink decorative fabric visible underneath.
美しい絵柄が輪島塗の上に次々と浮かび上がる

「本物の道具を使って沈金を体験してもらっている。難しいけど、そうすることで輪島の沈金の本当の魅力を伝えたいー」

あえて観光客向けではない本物の体験をしてもらいたいと考える前古さんとの出会いは、地域が伝えたい地元の文化をお客様にお届けしたいと考える私たちにとって、とても貴重なものとなりました。

Japanese artisan wearing glasses working at a wooden desk in a traditional craft workshop surrounded by tools and materials
自宅の工房でお話をする沈金職人の前古さん

城下町の「武家文化」 ー 金沢地方

和倉温泉からローカル線の車窓から田園風景を眺めて揺られること1時間、金沢駅に到着しました。

Brightly decorated Japanese sightseeing train with red exterior and gold floral patterns stationed at a platform in Ishikawa, featuring traditional chrysanthemum and maple leaf designs.
和倉温泉と金沢を結ぶローカル鉄道

金沢市観光政策課の皆さんにお迎えいただき、金沢で紹介したい人、場所をいくつかご案内いただきました。

そのうちの一つが、加賀友禅の毎田染画工芸さん。

500年もの歴史がある加賀友禅は、草花をモチーフにした絵画調の模様が特徴で、その緻密な染技法には目を奪われます。

Traditional Japanese art depicting pine trees with colorful seasonal flowers including pink cherry blossoms, orange maple leaves, and purple blooms, painted in a delicate pointillist style on what appears to be decorative paper or screen.
アクリル板に見事に表現された加賀友禅

加賀友禅を仕上げるには約15工程がありますが、ここ毎田染画工芸ではその全てを一貫制作で行い、作家のデザインを最大限に引き出しています。

「古い伝統を守りつつ、今の時代やニーズに合わせてイノベーティブに創作している」と語るのは3代目の毎田仁嗣さん。着物の市場が縮小していく中、いかにして加賀友禅を次の時代へ繋いでいくか、さまざまな挑戦をされています。

Artist in workshop painting turquoise panels with delicate white and blue floral patterns, traditional Japanese craftsmanship in progress.
加賀友禅のさまざまな工程を案内する毎田さん

武家文化といえば、侍や刀を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

ですが、古くから伝わる本物の日本刀を目にし触れたことのある人は、多くはないはず。

今回私たちは、先祖が武士で、侍文化を今に伝える四十万谷(しじまや)正久さんにお会いしました。普段はなかなか触れることのできない日本刀を実際に持たせていただき、間近で見るその美しさに感動しました。

Elderly Japanese craftsman in traditional dark kimono speaking to visitors across a table displaying decorative swords and traditional metalwork in a bright, traditional Japanese room with shoji screens and garden views.
古くから伝わる本物の刀を前に侍文化について語る四十万谷さん

四十万谷さんは、日本刀や侍の文化がいかに現代に生きているか、教えてくれました。

「鎬(しのぎ)を削る」

「切羽詰まる」

いずれも刀が由来となって作られた表現です。今でも普通に使う言葉がこういうところから来ているのは、面白いです。

Two practitioners in traditional Japanese clothing demonstrate samurai sword techniques in a traditional tatami room with shoji screens.
本物の刀の使い方を学ぶベンジャミン

最後は真剣を使っての抜刀体験。本物の刀の重みに手を振るわせながら、侍のように精神統一させて武家文化を味わいました。

山岳信仰の「仏教文化」 ー 白山地方

白山は、富士山、立山と並ぶ日本三名山の一つ。信仰の山として知られ、霊山から見下ろす雲海はなんとも神秘的な景色です。

Misty mountain landscape viewed from a train window in Ishikawa, with layered mountain ridges fading into the blue-gray distance, a traditional Japanese farmhouse roof in the foreground, and lush green vegetation.
生雲から見下ろした白山の山々

加賀温泉駅から山をドライブすること小1時間、山の頂上で私たちは忘れることのできない宿泊を体験することになります。

ここ白山生雲は、心を癒す山頂の宿。修験者たちが修業していたお堂がかつてここにあり、それが「生雲」の始まりとされています。

Traditional Japanese interior with exposed dark wooden beams, latticed shoji screens, warm ambient lighting, and polished wooden floors creating a serene atmospheric space.
白山生雲

風の音以外何も聞こえない、近くに光もない、刻々と変化する雲、夜に見えるのは遠くに臨む街の光のみ。その宿で、多くの修験者たちが過ごしてきたように静かに心を鎮め、今に続く古来の信仰の形を感じました。


決して煌びやかな宿ではありませんが、一棟貸切で、この山を貸し切ったかのような気分を味わい、日常を完全に忘れる感覚はなんとも贅沢な体験と言えます。

他では感じたことのないような心の平安を得ることができる貴重な宿泊体験を得ることができました。

翌日には那谷寺でご祈祷を受け、住職さんとお話をさせていただきました。忘れることのできない3日間の旅の締めくくりとなりました。

Golden multi-armed Buddhist deity statue in meditation pose with ornate decorations and symbolic objects, displayed against an intricate dark patterned backdrop with suspended ornamental disc above.
那谷寺

一つ一つの出会いが、心に深く残る旅を

石川県は旅行客にとって近年ますます人気の高くなっている地域です。今回の視察でも、特に金沢市の一部の観光地では、人とすれ違うのがやっと、というくらいの人混みでした。コロナ禍からの観光の復活は、人気の観光地ではオーバーツーリズムの問題も同時にぶり返す結果となっています。

一方で、今回訪れた場所はほとんどが静かでゆっくり過ごせ、その地域地域で出会う人とゆっくり時間を過ごしながら、噛み締めるように旅を楽しむことができました。

Smiling woman in yellow sweater kneeling on tatami floor while holding a shamisen, a traditional Japanese three-stringed instrument, in a room with orange walls and translucent shoji screens.
最後に寄った福井の三国で出会った、伝統芸能を継承する芸歴60年の三味線奏者芳村さん

あの場所であの人が言っていたこの言葉ー

あの人のレンズで見るあの場所の風景ー

一つ一つの出会いが、私たちの心に深く残った旅となりました。

これこそが、旅の意義、ではないでしょうか?日本には、素晴らしい地域がたくさんあります。私たちはこの地域を一つ一つ周り、心に深く残る意義深い旅を作ります。

日本で心に残る旅を体験したい人は、是非こちらからお問い合わせください。

Linkedinではさまざまな情報を発信していますので、ぜひフォローをお願いします。

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